活動のまとめ~ホニアラ編~
2つ目の配属先は、ガダルカナル州ホニアラにあるソロモン諸島政府観光局。
要請内容は、SNSを活用したオンラインマーケティングへの助言や日本マーケットの拡大支援など。
しかし、CEO、人事、マーケティング部長と協議したところ、実際の配属先のニーズは、とにかく日本人観光客を増やしてほしいとのことだったため、日本市場の拡大支援にフォーカスした活動を行うこととなった。また、オンラインマーケティングに特化したオーストラリア人ボランティアが配属になったため、私はオンラインには一切ノータッチだった。
<活動目標>
①マーケティングプランの要約
②日本市場におけるSWOT分析
③市場調査としてのサーベイの実施
④日本市場について関係機関との協議
⑤日本人観光客向けの観光環境の整備
⑥日本へのソロモン観光の発信
例によって細かい事は色々とあるが、大きくわけると以上のような活動目標である。
①②観光省から独立した組織である観光局としての業務は多岐に渡っており、アジア、北米、欧州、大洋州、豪州、ニュージーランドとそれぞれのマーケティングターゲットに加え、フィッシング、戦跡、イベント、ロマンス、クルージングなどの業務も取り扱うため、1人当たりの業務量が非常に多い。
その中で、私はまず観光局の方向性や力を入れている分野などを確認したかったため、マーケティングプランの要約を行った。全体像を把握した後に、日本市場についての現状を把握し、SWOT分析を作成した。
マーケティングプラン
③④実際にソロモンを訪れた外国人観光客の意見、日本人視点でのソロモン観光の意見、日本人ツアー客のニーズやツアー実績を調査した。外国人観光客の調査は空港国際線出発口で、日本人調査は隊員総会時にJICAボランティアに行い、ツアー客のニーズとツアー実績は、現地ツアー会社との話し合いを行った。
隊員アンケートの調査結果
⑤観光環境の整備として、大きく4つ行った。
⑤-1
リーフレットの作成。以前のブログでも紹介したが、日本事務所と共同で作成した。ソロモンを紹介する際に、案内しやすくなった。また、実際窓口で受け取られた方からも好評だったため、作ってよかった。大したことしてないのに、ちゃっかりクレジットを入れてもらった。
⑤-2
日本人ツアー客のガイド。日本語でのソロモン観光雑誌は私が知る限り存在せず、なかなかネット検索もされないであろうソロモンにとって1番の知名度向上策として、口コミが効果的であると考えた。実際にソロモンに来てくれる方に楽しんでもらい、帰国後に「ソロモンよかったよ~」とSNSで拡散してもらう。時間はかかるが、これが1番費用対効果が高い宣伝である。
⑤-3
観光地の視察。任期中、3つの州を視察した。窓口に来る観光客や日本からの問い合わせに対して、自分が行ったことあるのと無いのでは、説明や案内が微妙に異なってくる。やはり自分の目で実際に確かめるのが1番である。また、現地のツアー会社や宿泊先の詳細や設備なども日本人視線で確認できた。
⑤-4
日本語会話教材の作成。日本の旅行会社は、日本語が通じる現地スタッフやツアーガイドがいると、ツアーを販売しやすいと常々言っていた。なのでソロモン人向けに、簡単ではあるが日常会話のテキストを作成した。これにはシチュエーション毎に会話方式にしており、文法や単語帳などはほんの少ししか載せていないため(恐らく勉強のようにしたらソロモン人は飽きる)、日本語を学ぶきっかけとしてはいいかなという程度で作成した。これがきっかけで、独学してくれたらなぁと期待している。
⑥ソロモン観光の発信として、大きく2つ行った。
⑥-1
ソロモン観光セミナーの開催。東京でセミナーを開催した。というか、ほぼ日本事務所の方に開催してもらったという感じである。30数社の方が来られ、そのうちの5,6社からメールで連絡や問い合わせを頂いた。セミナー後に早速ツアーを販売してくれた代理店もあり、効果はなかなかよかったんではないかと思っている。私が帰国後も、定期的に送客してくれる会社が増えてくれれば大成功である。
⑥-2
日本事務所や日本の旅行会社からの問い合わせに対する情報提供。これが日々の活動の大部分を占めていた。自分の感覚では、1番多かった問い合わせはダイビング。これが80%くらい占めてたかな。次いでリゾート、シュノーケリング、トレッキング、バードウオッチングなど。やはり自然系アクティビティが多かった。
その他の活動
1.Mi Save Solo
2.Cleaning up
3.World Tourism Day
4.Tourism in Focus
最後に、自分の活動がソロモンの発展に貢献できたかと言われると、正直わからないし実感もない。国を代表するような大きなプロジェクトに携わったわけではないし、予算の都合もあるし、異国の地でボランティアとしてたった2年でできることも限られている。
ただ、個人的には、これまで日本では「B to C」の仕事をしてきた中で、ソロモンでは「B to B」の活動を多く経験させてもらえて、ホントにめちゃくちゃ楽しかった。今後、この経験を社会還元していきたい。
約2年間ほんとに色々あったが、今は、ここで成長させてくれたソロモンに感謝している。